身長コンプレックスが辛いときにまず試すこと 変えられる所を1つ選ぶ
カフェのレジの列に並んでいて、前に大きな男性、後ろにも背の高い女性が並ぶと、私は嫌だなと思います。相手は何も気にしていないと分かっているのに、「この並びを見て、ほかの人はどう思うのかな」と考えてしまうんです。
身長コンプレックスが辛いときは、まず辛かった場面を「頭の中で考えたこと」と「実際に起きたこと」に分けてみてください。そのうえで、変えられない身長ではなく変えられる所を1つ選ぶと、気持ちが少し軽くなると思います。
そもそも自分の背は低い方に入るのかが気になる人は、何cmから低いと言われるのかを「男の低身長は何センチからか 国の調査で自分の位置を確かめる」で詳しく見られます。
この記事で分かること
- 辛いのは並ぶ瞬間と見上げる瞬間
- いちばん重いのは自分の想像
- 身長は定数で話し方や体は変数
- いまも気持ちが残っていても消さなくていい
身長コンプレックスが辛くなる場面
身長のことで落ち込んでいると、朝から晩までずっと重い気持ちが続いているように感じます。私が振り返ってみると、重くなるのはいくつかの決まった場面でした。
並ぶ瞬間と見上げる瞬間
私の場合は、レジの列、電車のつり革、集合写真、座敷で靴を脱ぐときに、急に身長のことを思い出します。どれも、背の高い人のすぐ横に立つか、話しながら相手を見上げる場面です。場面が分かると、それ以外の時間まで気に病まなくてよくなります。辛くなるのは一日中ではなく、背の高い人と並ぶ瞬間や見上げる瞬間だけです。

背が高くなりたい人は多い
こんなに気にしているのは自分だけではないか、と思う夜もありますよね。数字で見ると、そうではありません。身長への不満を扱った研究をまとめた論文では、背が低い人ほど自分の身長に不満を持ちやすい傾向があるとしています。ただ、この分野の研究はまだ多くないそうです。背が低い側ほど気にしやすいのなら、私が長く気にしてきたのも特別なことではなかったのだと思えます。身長の分布を国が調べた集計では、20〜40代の男性のうち170cmに届かない人は、4人に1人より多く、半分よりは少ない割合です。170cmに届かない男性は、周りを見渡せば思っているより多くいるということです。「165cmは低い方か」という質問に、「はい、男性としては低めの身長で、コンプレックスを抱く男性は多いです。」と答えている回答がありました。私は、こういう答えを見つけると、同じことを感じている人がいるんだと少しほっとします。もっと背が高くなりたいと思う男性は少なくありません。アメリカのある調査では3人に1人ほどがそう答え、背の低い人たちに限ると半分近くがそう答えていました。
出典:Gallup「Perception or Reality? The Effect of Stature on Life Outcomes」
出典:厚生労働省「平成30年,令和元年国民健康・栄養調査」特別集計
当人にしか分からない
身長の悩みを人に話しても、分かってもらえた気がしないことがあります。背の高い友人に「しょうがないじゃないか」と言われれば、たしかにその通りです。この重さは、背の高い人には分かりにくいものです。若いうちほどうまく向き合えないのも、自然なことだと思います。
慰めは言う人で響き方が変わる
気持ちを打ち明けたときに返ってくるのが、「気にしすぎ」「外見じゃないよ」という言葉です。私は、こう言われてもあまりいい気はしません。とくに180cm近い友人から言われると、なんだかモヤっとします。同じくらいの身長の人や、同じ悩みを持っている人に言われるなら、まだ分かるんです。慰めの言葉が響かないのは自分の心が狭いからではないと分かると、少し楽になります。「気にしすぎ」「外見じゃない」は、言う人によって受け取り方が変わります。
背が低いと人生で損をするのかが気になる人は「低身長の男が悲惨と感じる場面と抜け出し方 165cmの私の場合」で、性格まで決めつけられるのかが気になる人は「低身長の男は性格が悪いと言われる理由 研究で分かったこと」で詳しく見られます。
相手は本当に背の低さを見ているか
レジの列で嫌な気持ちになったとき、私が気にしていたのは本当に相手の目だったのか、とあとで考えることがあります。
気にしているのは自分の方
背の高い人に挟まれて立っていると、周りから「ちっちゃい男だな」と思われている気がしてきます。冒頭のカフェのレジを思い返すと、嫌だなと感じていたのは私だけです。「こういうのを見て、ほかの人はどう思うのかな」と気にしていたのも、相手ではなく私の方でした。相手にどう思われるかよりも重たいのは、本当はどうか分からないことを、自分で勝手に悪い方へ想像してしまうことだと私は思います。想像がふくらむと、胸を張って話せなくなります。カフェのレジで前も後ろも大きい人に挟まれていたときも、相手は何も気にしていなかったと思います。
人は思うほど見ていない
それでも、並んだ瞬間に周りの目が自分に集まっている気がすることはありますよね。身長の研究ではありませんが、自分がどのくらい人から見られていると思うかを調べた研究があります。人前で着るのが気まずいと感じる絵柄のTシャツを学生に着てもらい、部屋にいる人のうち何人が気づいたかを本人に見積もってもらう実験です。着た学生は部屋にいる人の半分ほどが気づくと見積もりましたが、実際に気づいたのは4人に1人ほどだった、という結果が出ています。並ぶ場面も同じだとは言い切れません。それでも、「見られている」と感じたときに、その感じを一度疑ってみる理由にはなると思います。
出典:Psychology Today「The Spotlight Effect」(原論文 Gilovich・Medvec・Savitsky「The Spotlight Effect in Social Judgment」)
想像と起きたことを書き分ける
頭では「誰も見ていない」と分かっていても、気持ちはすぐには軽くなりません。頭の中だけで考えていると、想像したことと実際にあったことが混ざってしまうからだと思います。そこで、辛かった場面を紙やスマホのメモに2列で書いてみる、という手もあります。左の列には頭の中で考えたことを、右の列には実際に起きたことを書きます。

レジの列なら、考えたことは「前後の大きい人に小さく見られている」で、起きたことは「注文してコーヒーを受け取った」だけです。2つを並べてみると、重たく感じていたのは左の列の方だと気づけると思います。場面を、頭の中で考えたことと実際に起きたことに分けて書くと、自分の想像で重くしていた部分が見えてきます。
結論
いちばん重いのは相手の目より自分の想像です 辛かった場面は考えたことと起きたことに分けて書きます
マッチングアプリの身長の欄でも同じように想像がふくらむときは、「マッチングアプリの身長の足切りを前提にしたプロフィールの作り方」も読んでみてください。
変えられない所と変えられる所を分ける
想像で重くしていた部分を外しても、身長そのものが変わるわけではありません。次は、変えられない所と変えられる所を分けて考えます。
身長は変えられない定数
大人になってからも、身長を伸ばす方法が気になることはありますよね。身長への不満を扱った研究のまとめでは、身長は体に負担の大きい医療に頼らない限り、はっきり分かるほどには変えられないものとして扱われています。変えられないものを変えようとして悩む時間は、ほかのことに使った方がいいと私は思います。身長は、大人になってから変えようとしても変わらない定数だと思います。
出典:Schmidt「Standing tall or falling short: A narrative review of height dissatisfaction and psychological outcomes」(PLOS Mental Health)
変数は話し方から靴まで
では、何なら変えられるのか。私がいちばん辛かった高校と大学のころの自分に、いま一言だけ声をかけるなら「変えられない定数じゃなくて、変数を磨きな」と言うと思います。人生には変えられる変数と変えられない定数がある、という話を聞いたことがあって、まさにそれだと思ったんです。どうしようもないことを悩んでも、身長は変わりません。内面、話し方、語彙、雰囲気、体は、身長が変えられなくても、力を注いだ分だけ変えられる所です。

「どうしようもない」と思っていた気持ちが「ここなら変えられる」に変わると、同じ悩みでも向き合い方が変わります。話し方・語彙・雰囲気・体・服・髪・靴は、今日からでも変えられる変数です。
結論
身長は変えられない定数です 話し方や語彙や雰囲気や体は今日から変えられる変数です
それでも大人になってから身長が伸びるのかを確かめたい人は、「大人の身長が伸びると言える場合と言えない場合」(準備中)で詳しく見られます。
変えられる所のどこから始めるか
変えられる所が7つも並ぶと、どれから手をつければいいのか迷います。ここでは、どこから始めるかの選び方を書きます。
1つだけ選ぶ
全部を一度に変えようとすると、どれも続かずに、かえって気が重くなると思います。私が身長を気にしなくなったころを振り返ると、身長や服が変わったわけではなく、人と話すときの話し方や雰囲気の方が大事だと思えるようになっていました。1つに決めておけば、次に背の高い人と並んだときも、身長ではなく自分が手を入れている所に気持ちを向けられます。全部を一度に変えず、1つだけ選ぶ手があります。私だったら、話し方と雰囲気をひとまとまりにして選ぶと思います。

見た目は靴と服と髪
目に見える所から変えたい人もいると思います。見た目は、変えたその日から自分でも鏡で違いが分かる所です。私も、髪は毎日マットなワックスで整えています。見た目から始めるなら、靴・服・髪で背を高く見せる手があります。
体と話し方も変えられる
体と話し方は、見た目ほどすぐには変化が見えません。そのかわり、続けた分がそのまま自分に残る所です。私は家で腕立てや腹筋、スクワットなどを週3回ほどしています。ジムに通わなくても、家でできることから始められます。話し方なら、一息おいてから話し始める、少しゆっくり話す、といった所から手を入れられます。体は鍛えれば変えられ、話し方は間の取り方と話す速さを変えれば変えられます。
見た目から始めるなら「身長を高く見せる方法は6つ 靴と服と髪と立ち方と立ち位置と写真」を、体から始めるなら「低身長マッチョは筋トレで見た目がどこまで変わるか 鍛える順番と体重の目安」を読んでみてください。鍛えた体がいかつく見えないかが気になる人は、「低身長マッチョが怖いと言われる理由と職場での見られ方 表情と構え」で詳しく見られます。
いちばん気にしていたのはいつか
この気持ちがいつか軽くなるのかは、気になるところですよね。誰にでも当てはまるとは言えないので、私の場合をそのまま書きます。
高校と大学のころ
学生のころの私は、いまよりずっと身長のことを気にしていました。当時の私は、顔がかっこよくて、髪型が素敵で、背が高いことの方に重きを置いていたのだと思います。人を見るときも、自分を見るときも、まず見た目で良し悪しを決めていました。私がいちばん気にしていたのは、高校生と大学生のころでした。
働き始めてしばらくして

社会人になってからも、すぐに気にならなくなったわけではありません。相手を見るときに大事なのは、話し方や雰囲気、その人自身の魅力の方だと少しずつ思えるようになったんです。本や誰かの一言がきっかけになったのではなく、毎日のやり取りの中で気づいていった感じです。大人になると、背が低いからという理由で一緒に仕事をしない、ということはほとんど無いと私は感じています。私が人を見るときに気にする所も、時間とともに変わっていきました。社会人になってしばらくして、いろんな人と話し、一緒に仕事をするうちに、身長のことをあまり気にしなくなりました。
いまも気になることはあるか
気にしなくなったと書きましたが、すっかり消えたわけではありません。
授業参観で横に並ばない
大人になっても身長が気になるのはおかしいのかな、と思う人もいると思います。私にも、いまでも気になる場面があります。子どもの授業参観に行くと、バスケットボールやバレーボールをしていそうな、スラッとしたかっこいいパパがたまにいます。そういう人を見ると、かっこいいなと思うのと同時に、「子どももこういう父親だったら、もっとよかったのかな」と考えてしまいます。でも、そんなことを言ってもしかたがありません。それ以上に全力で愛情を注いでいるつもりなので、まあいいかと思うようにしています。正直に言うと、いまも授業参観で背の高いスラッとしたパパがいると、横に並ぶのを避けてしまいます。
消そうとしなくていい
コンプレックスを消さないと前に進めない、と思うと苦しくなりますよね。横に並ぶのを避けている自分を客観的に見ると、まだ少し自分を下に見ているのだと思います。身長は、いまも私のコンプレックスの一つです。コンプレックスは無理に消そうとしなくていいと思います。私も残ったままですが、いまの暮らしに後悔はありません。
注意
眠れない・食べられない・学校や仕事に行けない日が続くときは ひとりで抱えずに 電話やSNSで話せる公的な相談窓口か医療機関に相談してください
出典:厚生労働省「まもろうよ こころ」
よくある質問
Q1.身長は大人になってからでも伸びるか
A.身長への不満を扱った研究のまとめを見ると、身長は体に負担の大きい医療に頼らない限り、目に見えるほどは変わりにくいとされています。伸ばす方法として言われていることを確かめたい人は、「大人の身長が伸びると言える場合と言えない場合」(準備中)で詳しく見られます。
Q2.靴や服で背を高く見せるのは見栄か
A.見栄だと言われても、私は張っていい見栄だと思います。自分をよく見せようとする努力の1つで、人に迷惑をかけないなら、どんどんやっていいと考えています。背を高く見せる靴や服の選び方は、「身長を高く見せる方法は6つ 靴と服と髪と立ち方と立ち位置と写真」で詳しく見られます。
Q3.身長のことを誰かに相談してもいいか
A.話す相手を選べるなら、同じぐらいの身長の人や同じ悩みを抱えている人の方が、言葉が届きやすいと私は思います。つらい気持ちが続くときは、厚生労働省の「まもろうよ こころ」に、電話やSNSで相談できる公的な窓口がまとめられています。
今日まず何をするか

最近の場面を1つ書き出す
記事を読み終えても、背の高い人と並ぶ場面はまたやってきます。頭の中だけで考えていると、次の場面でも同じ想像がふくらみます。私も、次にカフェのレジで前後を背の高い人に挟まれたら、また嫌だなと感じると思います。それでも、頭の中にあるのは想像で、実際に起きているのは注文してコーヒーを受け取ることだけだと、いまは知っています。とにかく堂々と。高校のころの自分に向けた「身長がちっちゃくたっていい、魅力的な男性になりな」という言葉は、いまの私にもそのまま当てはまると思っています。場面を1つ書き出しておけば、次に同じ場面が来たときに、どこに気持ちを向けるかを前もって決めておけます。今夜、最近気が重くなった場面を1つだけ書き出し、考えたことと起きたことに分けて、変えられる所を1つ選んでみてください。


